4月8日 朝
突然、壮大なヴァイオリンの高音が軽やかにリズムを刻む音が耳に鳴り響き、驚いて飛び起きた。
なんでこの音楽をアラームにしたのか。
昨日の自分に恨み言を言いつつ、時計に目をやる。
短い針は6を、長い針は12を示している。
布団に戻ろうとする怠惰な意思を踏みつけ、ベッドから起き上がる。
窓からは朝日が覗き、無機質な部屋を照らす。
昨日となんら変わりはない。
ただ、違いを挙げるならばこの部屋の主が戻ってきただけだ。
適当に顔を洗い、パサついた口の中をどうにかしたくて口を漱ぐ。
眠気も吹き飛んだところで制服に着替える。
リュックに教科書など必要なものが入っていることを確認して背負う。
時間はまだあるが、何もすることがないので早めに家を出る。
あの時間に本など読むのもいいかもしれない。
そんなことを考えながら、スマホのマップを頼りに学校へ歩き出した。